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三井物産がCCS事業で覚書
UBE三菱セメント・レゾナックと

三友新聞 2024年4月18日号 より]

三井物産(堀健一社長)はCO₂を回収・貯留するCCS事業において、大手化学メーカーのレゾナック、UBE三菱セメントと覚書を交わした。2社の工場で排出されるCO₂を分離・回収した上でマレーシア沖のCO₂貯留場に運ぶ事業性の調査・検討を進める。2030年頃の事業開始を目指す。

UBE三菱セメントは宇部セメント工場(山口県宇部市)、レゾナックは大分コンビナート(大分県大分市)で排出されるCO₂の分離・回収・液化・貯蔵を担う。三井物産は液化CO₂を受け取り、専用輸送船でマレーシア沖まで海上輸送し、地下へ貯留する。今後は必要な技術要件の検証や事業費の算出などの検討を進める。

三井物産は昨年、マレーシアでCCS事業の共同開発に着手。マレーシア国営石油会社のペトロナス、仏エネルギーのトタール・エナジーズをパートナーとし、マレーシア沖地下にCO₂貯留場を開発する。マレーシア沖はこれまでの石油・ガスの探鉱開発を通じて貯留場に適した地下条件が確認されており、海上交通の利便性からも広く利用できる恒久的なCCS適地として期待されている。

三井物産はこのほか、関西電力や中国電力などをはじめ、複数の企業とCCS事業を検討中。CCSバリューチェーン構築を目指した事業性調査を進めている。

宇部セメント工場

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